案件名
現場調査業務アプリの機能拡張
| お客様 | 大日本ダイヤコンサルタント株式会社 |
|---|---|
| 担当者様 | DX戦略推進部 イノベーション推進室長 佐藤 明 様 (写真左から二番目) |
| 弊社担当者 | システムソリューション本部 戦略推進部 部長 堀岡 久喜(写真右端) DevOpsG 橋本 学(写真右から二番目) リスキリングセンター 奥田 才也(写真左端) |
概要
概要
Before
・既存サービスの維持を中心としており、今後の成長や収益化に向けた取り組みが未着手
・データを迅速かつ効果的に活用できる仕組みが未整備
・データをローカル環境で管理・参照していたことから、作業効率が低下
After
・アプリの有料版を開発し、収益化の基盤を構築
・より少ない人員でより価値の高いデータ分析が可能
・データをクラウドで一元管理することにより、現場の作業効率アップ
導入背景
導入背景(紹介文)
大日本ダイヤコンサルタント株式会社は、地質・地盤の調査・解析から企画・設計に至るまで、包括的なサービスを提供する総合建設コンサルタントです。同社は、社会基盤整備の各分野において、卓越した技術を有する専門家集団としてご活躍されています。
労働力不足・技術継承、自然災害の頻発・激甚化への対策、社会インフラの老朽化などの課題解決のため、建設業界においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している同社。その一環として水文観測(※1)総合アプリの開発に取り組まれています。
前回、こちらの水文観測(※1)総合アプリをより多くの利用者に提供するため、弊社がアプリの開発支援及びアプリのストア配布を行いました。
(前回の詳細は、『現場調査業務のDX化支援』から閲覧いただけます。)
今回行うアプリの機能拡張では、アプリのUI改善やクラウド活用化を進め、最適化を目指します。
※1 水文観測とは、主に新設される土木構造物が地下水環境に与える影響を把握するために行われる調査であり、対象構造物の周辺地域で、河川や渓流、湧水の流量等を観測します。

大日本ダイヤコンサルタント株式会社 公式サイト
| 建設コンサルタントが主な業務です。インフラ構造物に関する調査や出来上がったものの点検を担っています。建設コンサルタントは専門的な知識と技術で、私たちが生活するために必要な道路・公園・上下水道・鉄道・ダムなどの社会インフラ整備や、防災・減災計画、地域活性化に向けたまちづくりの立案、環境保全に役立つ技術を提供し、社会課題の解決をリードしプロデュースします。 |
選定理由
AWSを選定した理由
佐藤氏は以下のように語っています。
「社内では、さまざまなアプリをクラウド上で動かす取り組みを進めています。その中でもAWSは、
・信頼性とセキュリティが高い
・データ量が増えても、柔軟に対応できる
・IoTやAI分析との相性がいい
・既存システムとの連携がしやすい
といった点があり、採用の決め手となりました。
今後は、AWS上で観測データの自動解析やグラフ表示など、さらに便利な機能を追加していく予定です。」
課題
課題
アプリの事業展開と運用において、主に以下の4つの課題が存在していました。
1. リアルタイムな情報共有の欠如による作業の非効率
現場で行われる「同時観測」において、複数班がリアルタイムに情報を共有する手段がなく、作業効率が低下していました。
2. 過去データへのアクセス制限
過去の観測データに迅速にアクセスできず、現場での判断や対応に時間を要していました。
3. 拠点間連携の遅延
観測現場とオフィス間の情報共有にタイムラグが生じ、円滑かつ迅速な連携が困難でした。
4. 手動によるデータ管理の煩雑さとリスク
データの受け渡しをUSBメモリやメールに依存しており、管理が煩雑なうえ、紛失や情報漏えいなどのリスクを抱えていました。
提案
提案したソリューション
各課題に対する解決策を検討し、水文観測総合アプリの有料版開発、機能追加を進めていくこととなりました。
1.現行の水文観測総合アプリの有料版開発
有料版が開発されたことで、広告表示がなくなり、1年後も継続して利用することが可能になりました。
2.位置情報のデータに紐づけ
データに位置情報を付与することで、地理的な視点からの分析が可能になりました。
3.データ管理環境のクラウド化
既存のデータをAWS S3 バケット上にも保存することで、データ利用環境が向上しました。パブリックアクセスを行うS3バケットに対し、アクセス制御のためIAMロールを用いて権限設定を行っています。今後、クラウドの利点を活かしたデータ蓄積や、高度なデータ分析ツールを活用することを視野に入れています。
結果
導入したことによる実感
この水文観測総合アプリは、現場での“同時観測”をもっとスムーズに行うために開発しました。
AWSクラウドに観測データを集める仕組みを導入したことで、以下の仕組みを実現しています。
・複数の班が同時にデータを共有しながら観測できる
・過去のデータをいつでも、どこからでも確認できる
・観測現場とオフィスの連携がスピーディになる
これまでUSBやメールでやり取りしていたデータも、クラウドで一元管理できるようになり、現場作業の効率がぐっと上がりました。
今後
今後の展望
今回のアプリ最適化を経て、今後は以下の点を中心に、さらなる事業拡大とサービス向上を目指します。
1.マネタイズの強化
マーケティング部門がリードの獲得を担い、セールスが販売を行うという、一貫した販売促進の流れを構築し、収益の最大化を図ります。
2.OSのバージョンアップ
利用者が常に安心してアプリを使えるよう、OSのバージョンアップに継続的に対応していきます。
3.水分観測手法の拡大
現在、アプリは3種類の水分観測手法に対応していますが、今後もお客様のニーズに応えるため、他の水分観測手法にも対応していく予定です。
水文観測総合アプリはiOS用アプリです。
App Storeで「水文観測総合アプリ」を検索、もしくは下記の画像リンクからご参照ください。
以下の二次元コードからもアクセスできます。

