案件名
総合病院向け電子カルテリプレイスプロジェクト
| お客様 | キヤノンITSメディカル株式会社 |
|---|---|
| 担当者様 | 第一ソリューション本部 第二開発部 開発第一課 山田 大輔様 (写真右) |
| 弊社担当者 | システムソリューション本部 社内開発部 1課 加持 領 (写真左) |
| 期間 | 13ヶ月(2024年4月から2025年5月) |
概要
概要
Before
・大規模な電子カルテリプレイス案件における、プロジェクト推進に必要な設計・開発リソースの不足
・病院部門担当者様、部門システム会社様とコミュニケーションをとれるリソースの不足
・厳格なリリーススケジュールが定められており、遅延なくリリースできる開発体制の構築が急務
After
・お客様と密に連携を取り、計画通りに開発を推進し納期内でのシステムリリースを実現
・病院部門担当者様と密に連携し、お客様の製品価値向上に貢献
・弊社の医療系SEチームが参画し、不足していた設計・開発リソースを迅速に補完
導入背景
導入背景(紹介文)
キヤノンITSメディカル株式会社は、1972年に設立された医療情報システムを中心とした事業を行なっている企業です。同社は、病院・診療所・調剤薬局・健診施設等、医療関連施設に業務効率化のための医療ITソリューションを提供しています。同社の強みは、医療ITソリューションの提案・開発から導入・運用・保守を「One Stop」で提供していることです。また、2拠点で運営しているサポートセンター(東京・大阪)で操作・トラブルに対応しています。同社が提供する医療ソリューションには、電子カルテ、レセコン、健診支援システム等があります。
今回、弊社がご支援させていただいたのは、ある総合病院で利用されていた他社製電子カルテシステムを、お客様の電子カルテシステムへと刷新する大規模なリプレイスプロジェクトです。
弊社はリハビリテーション部門や栄養管理部門、健診部門、その他部門接続の設計・開発パートナーとして要件定義から稼働後フォローまで参画いたしました。

キヤノンITSメディカル株式会社 公式サイト
| キヤノンITSメディカルは1972年の設立以来、一貫して医療情報システムを中心とした事業を行なってきました。その豊富な医療ITの導入ノウハウとマルチベンダーであることの強みを生かし、幅広いソリューションやサービスの中から、最適なソリューションを提供します。 |
選定理由
J_TECHを選んだ理由
山田氏には以下のようにお答えいただきました。
「私たちがジェイテックさんを選んだ一番の理由は、やはり「安心感」に尽きます。
まず、ジェイテックさんとは実に15年以上という長い期間、ずっとお付き合いが続いています。
その為、私たちの会社の文化や、案件で本当に困っているポイントまで、理解してくれているのがよく分かります。
新しいパートナーを探す不安もなく、『いつものジェイテックさんなら大丈夫だろう』という信頼感がありました。
ジェイテックさんは、社内のマネジメントがしっかりしているのはもちろんですが、病院現場に対しても自立してマネジメントを進めてくれることを期待していました。
実際に、こちらが細かく確認をしなくても、自分たちで最適な判断をして前に進めてくれる。
この自律性の高さこそが、私たちがジェイテックさんにお願いしたいと思った決定的な理由です。」
課題
課題
今回の電子カルテリプレイスプロジェクトはプライム案件ということもあり、
機能の複雑性、事例の無い既存システム入替等の観点から、極めて難易度の高い案件でした。
プロジェクト成功に向け、特に以下の2つの課題解決が急務となっていました。
1.医療分野に対応できる、設計・開発リソースの確保
大規模な電子カルテリプレイス案件の成否は、適切な要員リソースを確保できるかに懸かっています。
特に電子カルテシステムの機能開発には、医療現場の業務フローを理解出来るエンジニアが不可欠です。
その為、プロジェクトの要求に応じてタイムリーに人材を採用・育成することも、時間とコストの面から大きな課題となっていました。
2.外部パートナー活用における、品質とスケジュールの両立
開発の一部を外部パートナーに委託する際、電子カルテシステムの仕様や医療業務の理解不足から、コミュニケーションコストの増大や品質不達のリスクが生じ、プロジェクト完遂が困難になる懸念がありました。
その為、自社開発チームと一体となり、要件定義から高品質な開発を自律的に推進できる、信頼できる外部パートナーを見つけることが重要な課題となっていました。
提案
提案したソリューション
1.医療業務・電子カルテの知見を持つ、専門エンジニアチームの編成
設計・開発リソース不足という課題に対して、医療システム開発で業務知識を持つエンジニアで構成されたチームの編成を提案しました。
このチームは、病院部門担当者様に直接仕様をヒアリングし、業務理解に基づいた仕様提案と実現性の高い開発を行う体制となっています。
これにより、仕様確認におけるコミュニケーションコストの削減と、スムーズな開発進行を目指しました。
2.お客様の開発プロセスに準拠した協業体制
品質の担保とスケジュール遵守という課題に対し、お客様の開発プロセスに準拠した協業体制を提案しました。
お客様が利用されているプロジェクト管理ツールやコミュニケーション基盤を共有し、日々の進捗や課題を密に連携する開発スタイルです。
これにより、お客様のマネジメント負担を軽減しつつ、プロジェクトを円滑に推進することを目指しました。
結果
導入したことによる実感
山田氏から以下のようなお声をいただいています。
「私たちの実感を率直にお話しすると、ジェイテックさんには期待以上の仕事をしてもらったと実感しています。
今回のリプレイスは新規IFアプリ開発もあり、正直、現場では大きな混乱が起こることを覚悟していました。
ですが、リプレイス前後で病院様に大きな違和感を与えることなく、スムーズなサービスインを実現出来ました。
それに、「QCD(品質・コスト・納期)をしっかり守る」という基本も徹底してくれて、質の高いものを病院様に提供出来ました。
これはシステムの安定稼働と信頼性向上に直結しており、今後のシステム運用における負荷軽減と事業継続性の確保に大きく貢献すると認識しています。」
今後
今後の展望
山田氏は今後の展望について以下のように語りました。
「今回のプロジェクトを通じて、ジェイテックさんの自律的なマネジメント能力と、難易度の高い要求に応えきる技術力を改めて実感することができました。
今後はより戦略的なパートナーシップの構築を目指したいと考えています。
現在は特定の領域での協業ですが、今後は領域をさらに拡大し、ジェイテックさんにはより広範囲で専門性を発揮していただきたい。
最終的な目標は、プロジェクト全体をジェイテックさんに『まるごと一つお任せできる』スキームを目指すことです。
要件定義からサービスインに至るまで、自律的に推進していただくことで、スピードと品質を高いレベルで両立させながら、弊社のイノベーションをさらに加速させていきたいと強く願っています。」
