案件名
毎月勤労統計調査オンラインシステムの改修業務
| お客様 | 厚生労働省 |
|---|---|
| 担当者様 | 厚生労働省 政府政策統括官付参事官付 雇用・賃金福祉統計室 毎勤第二係 |
| 期間 | 14ヶ月(2025年2月から2026年3月) |
概要
概要
Before
解決すべき課題
●レガシーシステム特有の画面レイアウト、日々の集計・データ修正など機能面の不満
●AWSサービス利用料の増大や、お客様固有の業務知識習得に要する教育費といったコスト面での諸課題
After
導入後の成果・提案
●要望に深く寄り添った改修による操作性(UI/UX)や業務効率の向上
●機能追加による制度改正や業務負担への対応
●コスト最適化とモダンシステムへの将来的な移行に関するご提案
導入背景
導入背景(紹介文)
毎月勤労統計調査とは、雇用、給与および労働時間の変動を明らかにする重要な標本調査です。政府の経済政策や労働施策、賃金動向の把握など、統計結果はさまざまな意思決定に活用されます。
今回当社が改修を手掛けた「毎月勤労統計調査オンラインシステム」は、同調査の業務をオンラインで行うためのシステムです。
本システムの改修においては、お客様の要望実現だけではなく、デジタル庁の方針であるガバメントクラウドを見据えた提案まで、一気通貫で幅広く携わりました。

※ガバメントクラウドとは?
「クラウドサービスの利点を最大限に活用することで、迅速、柔軟、かつセキュアでコスト効率の高いシステムを構築可能とし、利用者にとって利便性の高いサービスをいち早く提供し改善していくこと」を目的とした「政府共通のクラウドサービスの利用環境」です。
(参考:デジタル庁 ガバメントクラウドページ)

厚生労働省 公式サイト
| 日本の行政機関の一つです。「国民生活の保障・向上」と「経済の発展」を目指すために、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上・増進と、働く環境の整備、職業の安定・人材の育成を総合的・一体的に推進しています。 |
課題
要望に対する課題
お客様の要望や課題の解決を進めていく上で、以下の潜在的な課題が判明しました。
1. 仕様の不確実性による開発コストの増加リスク
視認性・操作性を高めるため、共通画面と個別画面のレイアウトの改善が求められていました。しかし、初期段階では画面ごとのレイアウト仕様が完全に定義されておらず、仕様を厳密に確定させてから開発を進める従来の手法を採用した場合、開発コストの増大を招くことが懸念されました。
2. 検証環境追加による環境ごとの差異発生のリスク
お客様のシステム試験に伴う環境占有が通常業務を圧迫しており、「検証用の環境をもう一つ追加したい」というご要望をいただいていました。
本要望に対応するため事前調査を実施したところ、既存のシステム環境で利用している基盤ソフトが古いバージョンであることが判明しました。バージョンを更新せずにシステム検証用の環境を追加した場合、環境ごとの差異が生じるリスクがありました。
提案
提案したソリューション
直面した課題やお客様の潜在的なニーズに対し、当社は以下のソリューションを提案いたしました。
1. プロトタイプ開発による迅速な合意形成
ご要望への迅速な対応と開発コストの最適化を両立させるため、お客様のご要望に合わせて作り変えていくアジャイル開発の手法を柔軟に取り入れたプロトタイプ開発プロセスを提案いたしました。
2. 基盤ソフトの最新化
検証環境の追加構築にあたり、当初の計画にはなかった既存環境の基盤ソフトのバージョンアップを視野に入れた解決策を提案いたしました。
3. 生成AIなどの最新技術を用いたモダン化
将来的な運用コストの削減や、お客様固有の課題である多角的な教育コストの適正化を見据え、CI/CDパイプライン(アプリ公開の全自動化システム) やRAG(生成AIを活用した情報検索)をはじめとした、システムの価値(コスト最適・セキュリティなど)を高める最新技術の導入(モダン化)を提案いたしました。
4. OSS化による運用負担軽減
システムの基盤ソフトを無償ソフトへ移行することで、システム運用負荷軽減とランニングコストの適正化を狙った提案をいたしました。
結果
導入により見込まれる効果
当社の提案を通じて、お客様の抱えていた課題に対し、以下の成果を得ることができました。
1. 柔軟な画面改修と開発コストの最適化
お客様へヒアリングした結果の目線合わせを適宜行うことで、業務に最適化したレイアウトの改善と開発コストの最適化を実現することができました。
2. システム検証用の環境追加への基盤構築
基盤ソフトの最新化を視野に入れたことで、懸念していた環境ごとの差異が生じるリスクを回避し、将来的なシステム検証用の環境の増設に向けた土台を整えることができました。
3. 次期モダン化の足掛かりの構築
将来的な運用コストの削減や、お客様固有の課題である教育コストの適正化(属人化解消)を見据えた解決策を提案し、次期モダン化に向けた足掛かりを築くことができました。
4. OSS化による運用コストの削減に向けた計画の策定
システム運用における負荷軽減のみならず、将来的なランニングコストの適正化を確実なものとするための具体的な移行計画を策定することができました。
今後
今後の展望
本システムは改修期間を終え、次のステップである運用・保守フェーズへと移行いたしました。今後とも厚生労働省様と連携し、ガバメントクラウド移行を見据えた協力を継続してまいります。
今後の展開として、RAGの導入による業務効率化の実現や、CI/CDパイプラインの実装による開発及び運用・保守の品質向上とコスト削減を目指し、引き続き運用・保守対応を継続してまいります。


